医療は“体”だけを治せばいいのか?
- Ayako Lux
- 2月27日
- 読了時間: 2分
更新日:4月9日
5ヶ月前、父が胆管がんと診断された。その瞬間から、私の生活の中心は父の病気と向き合うことになった。
年初に12時間に及ぶ大手術を終え、退院したのが3週間前。父の体調や心境をつぶさにみてきてわかったこと。
心が大事だということ。体は心でできている。その逆も然りで心と体は互いに影響し合っている。体調が悪くなれば気持ちも沈み、気持ちが沈めば体も回復しにくい。この二つは切り離せないものだ。
難しい箇所にできた癌なので、紹介を受けて国立大学で治療を受けた。医療設備も最新、スタッフも最高水準なのはもちろん有り難かった。がしかし、入院中、特に手術後の心のケアが皆無に等しいのだ。これほどまでに心のケアがないことに、私は衝撃を受けた。
手術後、体には何箇所もまだ管が通っている状態で、どこへ行くにもそういった管をぶら下げて移動しなくてはならない。痛みも不快感も半端ない状態なのに、家族の面会は許されず、弱音を親身になって聞いてくれるスタッフは誰もいない。体力回復のためにとにかく歩け、休むな、と言われ続けた父は心が折れてしまった。
”ここからは自分の力”とは、もちろん正論なのは分かっている。でも、心が折れそうな時に必要なのは、まずは寄り添ってくれる人ではないだろうか?
医療現場に、心のスペシャリストが必要だ、と今回ほど痛感したことはなかった。

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